友と紅茶
パートより 帰りて紅茶と パンを食む 遅き昼餉を わがくつろげり
母と同居するようになってからは、朝晩もっぱら緑茶を楽しむようになった。それと同時に、若い頃は敬遠していた羊羹の味もわかるようになってきた。年を取るということは、何かが少しずつ変わってきているのかも知れない。
今時珍しいかもしれないが、わが家は余りコーヒーを好まない。私は、嫌いではないが家族が飲まないので頂き物が手をつけずに置かれている程度で自分からは買わない。コーヒーはもっぱら外出先で知人や友と過ごす時に嗜むものと決めている。
私が紅茶を好きになったのは、多分に友のお陰かも知れない。彼女は現在、静岡に在住しているが、卒業以来一度だけ私に会いに来てくれたことがある。それももう三十年以上前のことだ。両親に反対されて結婚に悩んでいた私を励ましに来てくれたのである。仕事を辞めてパート勤めに出た私に、友はある時紅茶を送ってくれた。何故、紅茶だったのか聞いたことはないけど、当時の私はすごく嬉しかった。パートを終えてくると午後一時頃だったので、頂いた紅茶にレモンを入れて遅い昼食のパンを千切りながら食べたものである。その時の開放された気持ちとくつろぎ。紅茶入れもあれこれ考えたりして・・・・・飲みつつ、本のページをひもといたり・・・・時に友のことを思ったり・・・・・・・感謝の手紙を書いて、上の短歌を添えた。それからが大変。私の喜びが伝わったのか友は、毎年夏と冬にありとあらゆる種類の紅茶を届けてくれたのである。もう、売るくらいたまってしまい、断るにも何と言ったらよいか困ったものである。人にあげたりして何とか消化したけど、それ以来紅茶は私の傍らにいつもある。もう古くなってしまったが、娘が母の日に紅茶入れを何度か贈ってくれた。
友は紅茶の件を覚えているだろうか。未だに独身の友に何十年ぶりに何か送ってあげようかなと思う。若き日の感謝をこめて。雨の日の今日、紅茶を飲みつつ、友を思い出している。
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